執筆者 : E.Y ㈱ヤマナカゴーキン フィールドセールス チーフエキスパート
約105日短縮・約700万円削減の費用対効果!CAE「DEFORM」がもたらす製造収益改善
試作回数の増加や金型寿命のばらつき、そして開発期間の長期化――。
これらは多くの製造現場で共通する課題であり、経営判断にも大きな影響を及ぼします。
近年、こうした課題を解決する手段として、CAE(シミュレーション技術)の活用が企業規模を問わず広がり始めています。本稿では、製造現場へのCAE導入によって何が変わるのか、そして実際にどのような費用対効果が得られるのかを、具体的な事例と数値を交えてご紹介します。
目次
CAEに期待される4つの効果
効果① コストダウン
CAEが製造業に導入された当初、最も大きな目的は試作にかかる「直接コストの削減」でした。それまでは、実際に製品や金型を都度製作しながら評価を繰り返す必要があり、試作費・材料費・試打ち費用・人件費といった多くのコストが発生していました。

CAEを活用することで、これらの検証をコンピュータ上のシミュレーションに置き換えることが可能になります。実機試作の回数を減らし、不要な金型製作や材料消費を抑制できるため、開発全体の原価低減に直結します。
効果② リードタイム短縮

CAEはコストだけでなく、開発スピードの向上にも大きく寄与します。従来は、実機試作と評価を繰り返しながら問題点を特定していましたが、CAEシミュレーションにより、設計段階で成形不良や応力集中などを事前に把握できます。
これにより
・試作期間の短縮
・問題点の早期確認
・試打ち回数の削減
が実現し、製品立ち上げまでのリードタイムを大幅に圧縮できます。
市場投入の早期化は、そのまま企業競争力の強化につながります。
効果③ レベルアップ#1(データの蓄積)

近年の製造現場では、コストや時間の制約から、多くの試作パターンを実機で試すことが難しくなっています。その結果、新しいアイデアや最適条件の検証機会が減少しているのが実情です。
CAEシミュレーションを用いることで、
・金型破損を心配しなくていい
・材料を消費しない
・時間の許す限り、新しいアイディアやパターンの条件検討ができる
という特長があり、多様な設計案を数値データとして蓄積できます。
このデータは、結果共有・技術標準化・新人教育などにも活用でき、企業全体の技術基盤を底上げします。
効果④ レベルアップ#2(データ活用)

現在のCAEは、単なる解析ツールからデータ活用基盤へと進化しています。蓄積された解析結果をソフトに分析・学習させることで、シミュレーションを実行しなくても結果を予測する技術が実用化され始めています。
例えばDEFORMのデータ分析機能を用いれば、過去の解析データから
・最適条件の推定
・設計影響度の評価
・高速な結果予測
が可能となり、計算時間の長い複雑解析に対する課題も補完できます。
これは、経験や勘に依存していた設計判断を、データドリブンな最適設計へ転換する取り組みです。
現代CAEは「経営効果」を生む基盤技術

このようにCAEは、コストダウンとリードタイム短縮という直接的効果に加え、データ蓄積とデータ活用による技術レベル向上を同時にもたらします。
現代のCAEは単なる解析ソフトではなく、企業の収益性と競争力を高める経営ソリューションとして位置付けられる存在になっています。
DEFORM導入で約105日の短縮と約700万円削減を実現した事例
ここでは、CAEソフトウェア「DEFORM」を導入された鍛造製品メーカーA社様の、“ある1つの製品開発案件”における具体的な効果をご紹介します。
A社様では従来、当該製品の金型開発において、試作を10回繰り返しながら形状や条件を調整していました。しかし、DEFORMによるシミュレーションを活用したことで、この1製品モデルの開発における試作回数を3回まで削減することに成功しました。

約105日のリードタイム短縮効果
試作に要する期間を基に試算すると、
・初回試作(金型製作):約90日
・2回目以降の改修(金型修正):約15日/回
削減された7回分の改修期間は、
・15日 × 7回 = 約105日
となり、本案件だけで、約3か月以上の開発期間短縮を実現しています。
約700万円のコスト削減効果
同様に金型費用を基準に試算すると、
・初回金型製作:約400万円
・2回目以降の改修:約100万円/回
試作削減7回分により、
・100万円 × 7回 = 約700万円
のコスト削減効果が見込まれました。(※改修内容や仕様により金額は変動します)
この結果は、あくまで単一の製品開発案件における効果です。
しかし、同様の開発案件が年間複数存在する企業にとっては、CAE活用による期間短縮とコスト削減は、年間収益に直接影響するほどの経営インパクトを持つ可能性があります。
10倍の金型寿命改善と約516万円削減を実現したDEFORM活用事例
ここでは、DEFORMの活用によって鍛造金型の寿命改善とコスト削減を実現した、B社様の事例をご紹介します。
B社様では、ボルト頭部の鍛造成形において、従来は1型あたり約40万個の生産で金型交換が必要でした。そのため、年間約480万個の生産を維持するには、年間120回もの金型交換が発生していました。

最大で10倍の金型寿命改善
DEFORMによるシミュレーションで金型内部の応力分布を可視化し、破損要因となる応力集中を低減する設計へ変更した結果、
・1型あたり最大約100万個
まで金型寿命を延ばすことに成功しました。
これにより、年間の金型交換回数は5~12回程度まで大幅に減少しました。
年間約516万円のコスト削減効果
金型費用を基準に試算すると、
・従来 :5万円/型 × 120個
・改善後:7万円/型 × 12個
となり、
・年間約516万円/型番
のコスト削減を実現しています。
量産効率の向上という副次効果
さらに、金型交換回数の減少により、段取り替えによる生産停止時間も、従来の約10分の1程度まで低減しました。これは単なる金型費削減にとどまらず、量産稼働率の向上による生産性改善にも大きく寄与しています。
DEFORMの活用は、単なる解析効率の向上ではなく、
・金型寿命の延長
・年間コストの大幅削減
・量産効率の改善
を同時に実現し、製造現場の収益性そのものを高める、経営インパクトの大きい改善策となります。
ものづくりの競争力を高めるDEFORMの価値
本稿でご紹介したように、CAEの活用は試作削減にとどまらず、開発期間の短縮、金型寿命の向上、量産効率の改善など、製造の根幹に直接的な効果をもたらします。
特にDEFORMは、鍛造・熱処理・切削・プレス成形といった塑性加工・加工プロセスに強みを持ち、現場の経験や勘に依存してきた設計判断を、数値に基づく確かな意思決定へと導きます。

限られた人員と時間の中で成果を最大化していくために、CAEはこれからのものづくりを支える重要な基盤となります。
自社の開発テーマにおいて、どのような効果が期待できるのか。ご関心をお持ちの際は、どうぞお気軽にお声がけください。
このシミュレーションテーマでよくある質問
年間使用契約に比べ、永久ライセンス(買い取り型)は、どのようなメリットがありますか?
次年度からの更新費用が保守サービス料のみとなり、年間契約に比べ、少ない費用で更新できます。
長い目で見ると、費用的にも割安になります。
ライセンスについての詳しい内容は、下記ページよりご確認ください。
■ 導入プランページ
DEFORM製品8つのラインナップと2つのライセンス形態
レンタルライセンス(期間限定)から、永久ライセンス(買い取り型)へ変更することができますか?
変更することができます。
費用等につきましては、弊社営業までご連絡下さい。
ライセンスについての詳しい内容は、下記ページよりご確認ください。
■ 導入プランページ
DEFORM製品8つのラインナップと2つのライセンス形態
DEFORMで、どのような解析ができますか?
冷間・温間・熱間鍛造、押出し、引抜き、板材成形、破断解析、圧延、ロール成形、リングローリングなどが解析可能です。
※解析内容により、必要なテンプレートを選択する必要があります。
・3Dのテンプレート(鍛造、切削、コギング、圧延、押出し、フローフォーミング)
・2Dのテンプレート(鍛造、切削)
準備するハードウェア、対応OSについて教えてください
【OS】Windows11,10,8.1(64bit)
【メモリ】32GB以上推奨
【HDD空き容量】10GB以上
※CPUのスペックには特に必須スペックはございませんが、動作周波数が高いほど、計算速度が向上します。
※Windows以外にLinuxも対応しております。



